日銀金融政策の意味
日銀金融政策とは、日本の中央銀行である日本銀行が金融市場における金利の形成を行い、通貨の供給量や金融の調整を行うことである。金利の引き上げ（利上げ）と引き下げ（利下げ）によって景気の加熱・失速を防ぎ、景気や物価の安定を図り、国民経済の健全な発展に貢献することが目的である。金融政策運営の基本方針は、日銀の最高意思決定機関である日本銀行政策委員会による「金融政策決定会合」で決定される。年8回行われるこの会合では、金融経済情勢の検討が行われ、それにより適切な金融市場調整方針が定められる。金融政策は大きく分けて「政策金利操作」、「支払準備操作」、「公開市場操作」の3つに分類される。かつては公定歩合の上下が金融政策の中心であったが、現在の中心的な手段は公開市場操作（オペレーション/オープン・マーケット・オペレーション）であり、これにより日本銀行は金融調整（資金の供給や吸収）を行っている。具体的には、不景気の際に日銀は普通の銀行から国債を買う。これにより資金が増えた銀行は、それを個人や企業への貸し出しに充てることができ、お金の流れを生み出すことができるようになる。2013年、日本銀行は「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2％と定めた。市場経済において個人や企業が消費・投資を行うかどうかを決定する際、その鍵となるのがモノやサービスの価格である。物価が大きく変動することにより、個人や企業の判断が困難になり、資源配分が上手く行われなくなる。そのため、経済活動の基盤として、物価の安定が重要であるとされている。金融政策は国民の生活に大きな影響を与えうるものであるため、金融政策に関する意思決定の内容・過程は、国民に明らかにされるよう努めなければいけない。また、金融政策と政府による経済政策の基本方針の整合性は重要であるため、日本銀行は政府との意思疎通を十分に図らなければいけないが、一方で日銀金融政策の運営は中立的になされることが適切であるとも言われている。
例文
日銀経済政策により、景気のバランスが図られる。
