コンドラチェフの波の意味
コンドラチェフの波とは、経済循環サイクルの1つで、平均周期50年〜60年の長期のサイクルのこと。
1926年、ロシアの経済学者コンドラチェフ(Nikolai Dmyitriyevich Kondratieff)が提唱した。変動要因は現在もさまざま議論されているが、シュンペーターの説いた技術革新(イノベーション)説が有力である。
コンドラチェフの波が上昇に転じる前の下降段階に、新しい技術の発明が群発する。その後、波が反転してから、新技術が産業へ応用され始め、世界へと広がっていき、波は上昇する。やがて新技術が浸透し、生産性の向上が需要を上回ると、価格が低下しだし、投資が抑制され、波は頂点を過ぎて下降し始める。下降中に再び次の新技術の発明が群発し、新しい循環につながっていく。
1780年頃から現代までに5回の波が確認されている。それぞれ、第1波は蒸気・紡績、第2波は鉄鋼、第3波は自動車・電気、第4波は半導体・石油化学、第5波はITなどが要因となっている。
コンドラチェフの波の長期循環のもとでは、他の短期・中期の循環も影響を受ける。コンドラチェフの波の上昇時には、短期・中期の波は上昇期が長く下降期が短い。コンドラチェフの波の下降時には、短期・中期の波は上昇期が短く下降期が長くなる。
例文
社会主義が台頭した頃、資本主義は衰退し滅亡に向かっていると言われたが、実際はコンドラチェフの波の大循環で下降していたに過ぎず、のちに勢いを取り戻した。