抵抗の意味
抵抗とは、クライエント(カウンセラーに悩みを話す人)が心理療法・心理面接の進行を妨げることである。クライエントは、心理面接で自分の内面に直面することで不安や苦痛が生じる。そのため、それらの感情が面接への無断欠席・遅刻・机などを思い切り叩く・他のカウンセリングを求めるという行動に表れる。このように、自分の心の状態を言語化できずに行動によって表現することを行動化という。
抵抗の背景には、悩みの解決を目指しながらも自身が変化することに対する不安や、悩みの改善によって同情を失いたくない疾病利得がある。抵抗も自己表現の一つであり、背景にある感情や欲求を受容・共感的にくみ取ることがカウンセラーに求められる。そのため、支援者は抵抗の発生を防止するのでなくなぜ生じたのかを考えることで、クライエントのさらなる理解に繋げる。
抵抗に向き合うために、枠を壊す行動を受け入れる必要はない。カウンセリングの枠組みや制限はクライエントと支援者を守るためのものであり、遅刻しても時間を延長しない・キャンセルしても前払いの料金を返さない・攻撃行動をやめてもらうという対応が必要になる。
例文
・担当するクライエントが、遅刻したことは抵抗かもしれない。
・遊戯療法における、子どもの過度な攻撃は抵抗だ。
・抵抗は、精神分析の概念である。
・カウンセラーは抵抗による悩みを一人で抱え込むより、スーパービジョンを受けることが大切だろう。