アクション・スリップの意味
アクション・スリップとは、行動の実行過程において、無意識的に発生するヒューマンエラーのことを指す。わたしたちの行動は、その大半が自動化されているため、その自動化が引き起こす行動のエラーは多い。例えば、慣れている作業と、慣れていない作業とでは、その転換が上手くいかず、つい慣れている手順を踏襲してミスが起こる、自動的な行動と制御的な行動との切り替えが上手くいかず、自動化された行動が優位になってしまうといったことが挙げられる。
行動中に外的な環境の変化や、目的の変換が生じたのにもかかわらず、その変化点に対応できなかったときに、アクション・スリップは起こりやすい。変化に対しての認知機能がうまく働かなったことに由来するエラーで、慣れれば慣れるほど、起こりやすいという一面から、全ての動作を自動化せずに、行動を監視することが有効と考えられている。製造現場でよく見る指差し・声出し確認がそれに当たる。
例文
・アクション・スリップは、行動が自動化することで発生しやすいヒューマンエラーだ。
・行動中の状況の変化や目的の変換に上手く対応できなかったときに、アクション・スリップは起こりやすい。
・アクション・スリップには、慣れている行動の連続途中で、イレギュラーが生じたときに認知の転換が出来ずに、エラーが起こりやすいという特徴がある。
・指差し・声出し確認は、アクション・スリップの防止策として有効だ。
