護送船団方式の意味
「護送船団方式」とは、集団の中で最も進行速度が遅いものに合わせて進行する方式である。例えば、日本において第二次世界大戦前、金融恐慌により弱小金融機関が多く淘汰され、破綻が相次ぎ、社会不安を招いたことから、戦後は大蔵省や日本銀行による行政指導を中心に、金融機関の破綻を回避させることで日本の金融秩序を確立していった。銀行においては、預金金利、営業時間、振込手数料の同一化があげられる。「護送船団方式」の言葉の由来は、本国から海外の占領地に物資を輸送する輸送船を海軍が護衛した際に、速力の最も遅い輸送船に合わせて航海したことが由来とされている。このように、「護送船団方式」とは、特定の産業を国が保護し、最も体力のない企業に合わせつつ、業界内の競争を避けさせることで、当該産業における安定と成長を確保する方法である。しかしながら、業界内の競争を避けさせることにより、自由な市場競争による物やサービスの質の向上という資本主義経済の性質になじまない部分があったため、金融ビックバン後の現在では「護送船団方式」は崩壊し、国による行政指導が緩和される流れとなっている。
例文
企業内におけるシステム改変の際、「護送船団方式」により最も改変に時間がかかる部署に合わせて進めることは社内システムの安定的運営につながる。