「意味」
マクロ経済は、巨視的な概念を用いている。ミクロ経済とは対照的に、国民所得や経済全体としての投資や消費を対象としているのだ。経済全体を巨大な企業のようにとらえ、主要な集計値間の大きな関係を取り扱う。マクロ経済の発展には、ケインズの著書『雇用、利子および貨幣の一般理論』が大きく貢献している。マクロ経済では、経済全体としての変数が用いられており、国内総生産・失業率・通貨総量・一般物価指数などがある。これらの中で最も中心的な役割を演ずるのが国内総生産である。マクロ経済の基本的な概念は、GDP、つまり国内総生産であると言えるだろう。
また、マクロ経済の主たる関心は、経済活動水準および一般物価水準である。経済活動水準の指標にはGDPが、一般物価水準の指標として物価指数が用いられている。マクロ経済においては、物価水準・インフレ率・経済成長のメカニズムが重要となってくる。経済活動水準が低下すれば失業者が増加して個人の所得水準も低下するのだが、経済活動が活発になり好況が続けば個人の所得も増加する。マクロ経済政策が目指す状況は失業者が存在せずインフレのない経済社会であると言える。マクロ経済を研究するのがマクロ経済学であるが、大きく二つの学派に分けられるであろう。古典派経済学とケインズ経済学である。古典派経済学においては供給面に焦点を充てているのだが、ケインズ経済学においては経済全体の需要に焦点を充てている。
「例文」
・マクロ経済は森全体を鳥瞰するように見る対象が巨視的である
・マクロ経済とミクロ経済は互いに補い合うものである
・一国の経済を対象にしているのがマクロ経済学である
・マクロ経済とミクロ経済は両立せずに合成の誤謬をおかすことがある