「共同注意」の意味
共同注意とは、視線や指差しを介して、他者と注意を共有することである。
共同注意は、Scaife, M. & Bruner, J. S. の研究で初めて使用された言葉である。この研究では、乳児には見えない目標物に視線を向けて、乳児の視線の動きの有無を見ている。
乳幼児や障碍児の発達研究の題材として取り上げられることが多い。共同注意の研究法は、共同注意を対象に向けたかどうかという「注意の有無」を注視するものと、注意の持続場面で生じる行動を注視するものに分けられる。
共同注意には受動的共同注意と能動的共同注意の2種類がある。前者は相手の視線に追従して同じ方向を見るものである。後者は視線や指差しをして、他者の注意を自分と同じ方向に向けさせるものである。
「例文」
・人間の共同注意は、共同注意を行う動物と比較しても出現頻度が多い。
・Scaife, M. & Bruner, J. S. の研究法は、共同注意研究のパラダイムとして確立している。
・共同注意は、Scaife, M. & Bruner, J. S. の研究以前にもWerner, H. の「原初的共有状況」他、別用語で研究されていたものが存在する。
・模倣行動は、共同注意の典型的な例といえる。