元型の意味
元型とは、ユングの概念で、集合的無意識(人が共通してもつ無意識であり、個人がもつ個人的無意識より深層にある)の内容である。ユングは、世界各地の神話に共通する内容があることを集合的無意識によるものと考えた。集合的無意識に存在する、心の中にあるイメージをアーキタイプ(元型)と呼ぶ。宗教や幻覚において時代や文化を超えた共通したイメージが見られることから、ユングは人の精神世界に祖先から受け継いだものがあると考えた。ユングによれば、元型は人の心の機能に備わる、本能的なまとまりだという。元型の代表的なものに、アニマ(男性の中にある女性の特徴をもつもの)・アニムス(女性の中にある男性の特徴をもつもの)、老賢人(権威・秩序を表す大きな存在)、グレートマザー(救いの手を差し伸べる存在)、ペルソナ(社会で生きるための適応的な仮面)やシャドウ(公では出さない否定的な面)があげられる。
例文
・日本の神話にも元型がみられる。
・私の会社での振る舞いは、元型におけるペルソナによるものだろう。
・顔や形は違えども、人は共通した元型をもつ。
・親の仕事と正反対の仕事に就くことは、元型でいう親のシャドーを子どもが吸収したからだ。