自律神経系の意味
自律神経系とは、内臓や内分泌腺の働きを調節し、消化・呼吸・循環などの生命維持活動を行う末梢神経系である。意識的にコントロールすることができず自律的に働くが、その活動は感情と密接に関係している。自律神経系は交感神経系と副交感神経系という2つに区分され、交感神経は急激で激しい反応を起こし、副交感神経はリラックスや体力の保存に関連している。例えば怒りや恐れ、不安や緊張といった感情が高ぶった場面では、交感神経が優位に働き、脈拍や呼吸が活発になり、脳や筋肉の血液量が増加し、消化器系は抑制される。そしてそれらの緊張状態がおさまると、副交感神経が優位になり、脈拍や呼吸が緩やかになり、血管が拡大し、消化が促される。休憩中や睡眠中は、体を休め回復させる副交感神経の活動が優位になる。しかし過剰なストレスなど慢性的な刺激により交感神経が優位なまま副交感神経とのバランスが崩れると、不眠・倦怠感・頭痛・動悸・めまい・震え・嘔吐・下痢・冷えなど、さまざまな身体症状が現れる。またイライラや不安感・情緒不安定・鬱などの精神症状が現れることもある。その治療は、薬物療法、精神療法、生活習慣の見直しなど、症状によってさまざまある。
例文
自律神経系のバランスを整えるため、朝決まった時間に起き、軽い運動をし、夜更かしせず就寝することに決めた。
